足関節果部骨折(脱臼骨折)
解剖学的には、足関節は脛骨、腓骨、距骨の3つの骨で構成され、足関節の内果と後果は脛骨の遠位部にあたり、足関節外果は腓骨遠位部にあたります。
症状
骨折の状態や転位の程度により異なりますが、足関節部に痛みや腫れ、皮下出血、外反変形や内反変形などがみられます。足を着いて歩行することは困難になります。
原因と病態
跳躍や高所よりの転落・転倒などにより、足関節に強い外力が働くと、足関節周囲の靱帯損傷や骨折が生じます。それらは足部が回外または回内位をとるような肢位で、距骨が外旋または内転、外転するような強い外力が働くことにより生じます。その結果、いろいろな骨折や靱帯損傷の組み合わせた病態になります。
これらをまとめた代表的なものにLauge-Hansenの分類(図)があります。
最初の用語が「足部の肢位」、2番目が「下腿に対する距骨の動き」を示します。
1.Supination-external rotation (回外―外旋)
高頻度に見られ、前脛腓靱帯損傷に次いで外果のらせん骨折がおこります。
重症になれば後果骨折、内果骨折も伴うことがあります(三果骨折 Cotton骨折)。
2.Pronation-external rotation (回内―外旋)
内果の横骨折が生じる。重症になれば、前脛腓靱帯損傷に次いで外果より高位の腓骨らせん骨折が生じ、後果骨折も生じることがあります。
3.Supination-adduction (回外―内転)
外果の横骨折が生じ、次いで内果の垂直方向に骨折線が入る骨折を生じます。
4.Pronation-abduction (回内―外転)
内果の横骨折が生じ、次いで外果の短い斜骨折が生じます。
診断
受傷機転を聞き、足関節の腫れや圧痛、変形、皮下出血を確認し、X線(レントゲン)検査で確定します。粉砕の強い場合は、CT撮影(特に3D-CT)が必要になることもあります。
予防と治療
骨折の転位(ズレ)が少ない場合や徒手整復で整復位が得られれば、外固定で保存的に治療可能です。
整復位が得られても保持が難しい不安定性が強い例や十分な整復位が得られない場合は関節内骨折なので少しでも転位があれば、手術が必要になります。
詳しくは整形外科の主治医とご相談ください。