TREATMENT
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨(脊椎)の下部にある椎間板が本来の位置から飛び出してしまい、神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こす病気です。
腰痛: 腰に鈍い痛みや鋭い痛みを感じることがあります。
足の痛みやしびれ: 特に片足に症状が出ることが多く、太ももやふくらはぎ、足先にまで広がることがあります。
筋力低下: 足や足先の筋力が弱くなり、歩行が困難になることもあります。
感覚異常: 足やお尻の部分に感覚の鈍さや異常感覚を感じることがあります。
重症例では、排尿や排便のコントロールが難しくなることがあり、これがある場合は早期の手術治療が必要です。
椎間板は背骨の骨と骨の間でクッションの役割を果たしますが、以下の理由で破れたり変形することがあります。
加齢: 椎間板が劣化し、柔軟性や弾力を失うことが原因になります。
過剰な負担: 重いものを持ち上げる、無理な姿勢で作業するなど、腰に負担がかかる動作が引き金になることがあります。
外傷: 転倒や事故などで椎間板が傷つくこともあります。
遺伝的要因: 家族に同じ病気の人がいる場合、発症しやすい傾向があります。
下肢伸展挙上試験(膝を伸ばしたまま下肢を挙上し坐骨神経痛の出現を見る)や下肢の感覚が鈍いかどうか、足の力が弱くなっていないか等で診断します。さらに、X線(レントゲン)撮影、MRIなどで検査を行い診断を確定します。
ただし、MRI画像で椎間板が突出していても、症状が無ければ多くの場合問題はありません。
痛みが強い時期には、安静を心がけ、コルセットをつけたりします。また、消炎鎮痛剤の内服や坐薬、神経ブロック(神経の周りに痛みや炎症を抑える薬を注射する)を行い、痛みをやわらげます。腰を温めるのも良いでしょう。痛みが軽くなれば、牽引を行ったり運動療法を行うこともあります。一般的に3ヶ月の経過にて約半数の症例で、椎間板ヘルニアは自然吸収され消退することが知られていますが、これらの治療にても抵抗を示し、疼痛が強い場合や、明らかな筋力低下を認める場合、その他、睡眠や排尿・排便に支障をきたす場合には早期の手術療法が必要となってくることがあります。