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腰椎分離症・分離すべり症

症状

腰痛(腰のベルトのあたりの痛み)の場合と、お尻や太腿の痛みを出す場合があります。
痛みは腰椎を後ろにそらせた時に強くなります。

腰痛は10~15歳ころから生じますが、青少年から高齢者まで広い範囲にわたって腰痛や下肢痛・しびれが出ます。

原因と病態

多くは体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。「ケガ」のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰椎をそらしたり回したりすることで起こります。一般の人では5%程度に分離症の人がいますが、スポーツ選手では30~40%の人が分離症になっています。
分離症は10歳代で起こりますが、14歳未満で脊椎骨の成長が未熟な段階で発症しますと、それが原因となってその後徐々に「分離すべり症」に進行していく場合があり注意が必要で、腰痛や神経根圧迫によるお尻や下肢の痛みで日常生活や仕事に支障が生じれば、神経の圧迫を除去する手術や固定術が行われます。

原因と病態

診断

分離症の診断は側面や斜めのX線(レントゲン)像が基本となりますが近年、MRIにて早期の診断が可能となり、早期からの運動制限とコルセットの着用にて高い骨癒合率が期待されるようになりました。一方で、MRIではまだX線やCT検査では捉えられないような、初期段階の病変も捉えるために、成長期に2週間以上長引く腰痛患者の4割近くにMRIで分離症を疑わせる所見を認めたという報告もあります。

予防と治療

分離症があっても強い痛みや日常生活の障害なく生活できる場合が大部分です。原因は体質的なものもありますが、疲労骨折によるものが大半となりますので、痛みを感じる時には無理をして運動を続けないことが予防となります。腹筋・背筋を強化して、一般的な腰痛予防を心がけます。治療としては、骨癒合が期待でき、それを目指す場合には、安静と硬性コルセット着用3ヶ月が基本となりますが(MRIで診断できた超早期は約1ヶ月)、骨癒合したからといってもその後に、残念ながら約4人に1人が再発してしまうことが知られています。オーバーユースによる疲労が原因のため、腰痛発症前の運動、スポーツでの体の使い方を何かしら変えないとやはり再発してくることが予想されます。
 なお、現段階では、腰椎分離症があるがために、将来、腰椎手術を受けることになる確率が増えるという明らかなデータはないようですが、腰椎手術を受ける方で分離症がある方とない方と比較してみますと、分離症がある方の方が10歳ほど若くして手術に至っているようです。

 

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